8月6日(木)晴
今日は定休日を利用して、常連の船長さんが作品を展示している東京芸術劇場の「日本の海洋画展」を見に行ってきました。
東京芸術劇場ははじめてで、池袋というと随分遠いと思っていましたが、湘南新宿ラインで行くと横浜~池袋が乗り換えなしで35分程度。日ごろ電車に乗らないので驚きました。到着すると色鮮やかな油絵や豪快なタッチで描かれた海の絵。結構見ごたえがありました。ゆっくり見ながら常連さんの絵の所へ。こんな絵を描かれるんだなと、普段のカウンタートークから想像していたイメージとは違って、意外な一面をみさせていただいたような感じになりました。次々絵をみていくと「サントス港からの出港(笠戸丸)」という絵がありました。笠戸丸といえば、日系人がブラジルに移民したときの船。コーヒー屋の宿命で、ついコーヒーのことを思い浮かべてしまいました。そんなことで、今日は笠戸丸とハンズで使っているブラジルウォッシュドについてお話します。
明治41(1908)年4月28日、第1回日本人移住者781名(この他に自由渡航者10名)を乗せた笠戸丸が神戸港を出航しました。笠戸丸は約2カ月の後、6月18日にブラジル・サントス港に入港。ここに日本人のブラジル移住が始まりました。笠戸丸から始まったブラジル移住者の子孫は、現在では150万人を擁するとも言われる世界最大の日系社会を築いています。
ブラジルのコーヒー栽培は南東部のサンパウロ、パラナ、ミナスジェライスを中心に栽培され、この地域はテーラロッシャと呼ばれる肥沃な土壌となっており、気候もコーヒーに適しています。ブラジルでは独自の厳しい格付け基準を設け、混入物の多い少ないによって No.2~No.8(7段階)、混入物がより少ないのがNo.2で数字が大きくなるに従い欠点数も上がります。したがって、ブラジルにはブルーマウンテンのように「No.1」はありません。「No.2」が一番です。ちなみにハンズではNo.2を使用しています。ナチュラル(非水洗式選別)が主流のブラジルの中では味の異なるウォッシュド(水洗式)のコーヒー。程よい酸味とブラジル本来の苦みが特長。
今やブラジルのコーヒーは日系人の存在なくしてはありえません。日系人の勤勉な働きが、世界最大のコーヒー産地をつくりあげた要因のひとつと思えるとうれしく思います。そしていいコーヒーに感謝するとともに、そんな人々の苦労の"最終ランナー"であるコーヒーショップの責任をきちんと全うせねばと思う休日でありました。
2009-10-01 21:22